資産価値としてのジュエリーと持つべき姿勢
ジュエリーブランドを運営と、ジュエリーを一から形にする身として、この議題でブログを書くかとても迷いました。
まず最初に、私は誰かを否定するわけではなく、色んな意見がある中で皆さまがジュエリーに対してどういった考えを持つべきか一つの指標になればと思いまとめました。
ジュエリーは資産価値としての一面も持っているのは確かですが、明確に断言するのは非常に危険です。
私たちは自身の置かれている状況とジュエリーが持つ本来の用途、価値の間で明確な線引きが必要です。
少しずつ整理して、自分が今どの角度からジュエリーに向き合うのか知っていきましょう。
「資産価値がある」「資産価値がない」という意見の中で反対意見、賛成意見を交えながら考えていきます。
ジュエリーが資産になり得る理由
①素材そのものに価値がある
金(K18・K24)・プラチナ・シルバーやダイヤモンドは世界共通の価値を持っています。
資金が必要になったときに、「地金として売却できる」最低限の価値が残るのがジュエリーです。
地金相場は長期的な上昇傾向で、インフレ耐性があります。
BUT
ジュエリーを資産として考えた時、株式投資と同じように利益を出すためには10年、20年と長期的に見ることが賢明です。
②持ち運べる・分割しやすい資産
不動産や株と違い、小さく・軽く・保管しやすいです。
ファッションを楽しみながら、万が一国境を越えて現金化が必要な時は換金することができます。
BUT
資産をわざわざ持ち歩く必要があるのか?
他国で現金化することはそうそう起こらない。
③一部のジュエリーは「再販価値」が高い
カル○エ、バン○リーフ、ティ○ニーといったハイブランドや、ノンヒートサファイア、大粒・高品質ダイヤモンドなどは価格の維持がされやすいです。
また、アンティークや作家性の強い一点ものも希少性から購入価格以上で取引されるケースも存在します
BUT
ハイブランドは購入価格も高く、予算によっては買うことができない。
色石や大粒のダイヤモンドも同じ。
アンティーク性や、作家性の強い一点物は好き嫌いがあり、そもそも興味を持つことがない場合もある
④実用品でありながら資産
株や地金とは違い「身に着けて楽しめる」という本来の用途がジュエリーにはあります。
感情的な価値と経済的価値を同時に持てる点は他の資産にはない特徴です。
BUT
全てのものには減価償却が適応されます。
実用品である以上、生活の中で傷がつくことも考えられます。
資産にならない理由
①買った瞬間価値が下がる
ジュエリーもものづくりの観点から見ると、制作にかかるコスト、デザイン料、ブランド料なども販売価格に反映されます。
私たちが着ている服、食料、デジタル機器など全ての「もの」は同じと言えます。
BUT
価値=すぐに売った時の金額という非常に限定的な定義に立ってします。
・使用価値(毎日使える)
・精神的価値(記念性・象徴性)
・時間価値(使った年数で割ったコスト)
などを含めると「買った瞬間価値が下がる」とは言い切れない。
まとめると市場価値は下がっても、価値がゼロになるわけではありません。
②換金性は意外と低い
「すぐ・高く・確実に売れる」とは限らないのがジュエリーです。
売却先によっては価格の差が非常に多く、信頼する売却先を探すのは時間がかかります。
BUT
「今すぐ、一か所で、一度に」という前提に立っていう場合は、そうかもしれません。
逆に言うと、時間を持って売却方法を選べるともとらえられます。
売却先が多いと言うこと自体が、それだけ市場が求める資産の一つであるのが地金です。
売却先が一つしかない市場より、むしろ健全と考えられます。
相場を知り、知識をもって適切に換金すれば十分安全な資産になります。
③石の評価はシビア
ダイヤ以外の色石は、サイズ、産地、処理(加熱など)が厳しくみられ、思ったほど値がつかないことが多いです。
BUT
評価基準が厳しいのは「成熟市場」の証です。
サイズ、産地、処理の有無が細かく見られるのは無秩序ではなく、知識が蓄積された市場できちんと評価される余地があると判断できます。
色石の世界では、産地の枯渇・採掘規制・環境要因によって数年~数十年後に評価が見直されるケースも少なくありません。価格より希少性が後から評価されることもあります。
④デザインの流行に左右される
デザイン性の強いものは、今おしゃれでも、10年後は評価されないことも多いです。
ファッション要素の強いものは資産向きではないこともあります。
この部分はGAMONii、それから私が一番大事にしている部分です。
GAMONiiのデザインは単純明快で、曲線や直線をシンプルに使ったデザインが多いのも流行に左右されないためでもあります。(言いたいことが多いですが省略します(笑))
BUT
ジュエリーをファッションの一部として捉えた時、新しいテイストを加えてアップデートされる周期が訪れるということを私たちは知っています。
つまり時代を超えるデザインはジュエリーそのものの作りの良さによって「更新」できることもあります。
また、流行に左右されるのは他人の「評価」であって「本質」ではありません。
市場評価は時代で揺れますが、素材、構造、石の品質は変わりません。
服も○○系といったジャンルがあるように、ジュエリーも市場に合わせてデザインを断定する必要はないと考えます。
自分の好きを身に着けることで、流行よりもその人のパーソナルな文脈が勝るので気にする必要はありません。
ジュエリーの3つの消費タイプ
これらの意見は消費者が思う視点の数々ですが、反対意見を交えながらお話してみました。
どれも間違いではありません。
経済の仕組みの一つとして、大きな投資の中でしか大きなリターンはないようにジュエリーも地金を多く使い、希少性の高い大きな石を使うことで10年後、20年後資産としてもリターンが大きくなることの方が多いです。
しかし、私たちは多様性が許された人たちです。
私は「ストックタイプ」「バランスタイプ」「エモーショナルタイプ」と3分類し、「後悔しにくい買い方」を定義してみます。
①ジュエリーに資産性を求める人「ストックタイプ」
ストイックタイプは価値保存と換金性重視のタイプです。
ジュエリーに資産性を求める人の本音ジュエリーに資産性を求める人の本音
・できれば価値が減らないでほしい
・使わなくなったら売れると安心
・感情より合理性
- 素材最優先
・K18/Pt950以上
・重量があるもの
・極薄は避ける - デザインは「定型」のみ
・シンプルな地金リング
・一粒石 - 石は厳選or無し
・ダイヤ(グレード開示あり)
・色石なら「評価が確立している石のみ」 - 購入姿勢
・気に入ったら長く使う
・短期転売は考えない
- 流行デザイン
- 軽さ重視
- 感情的な価値に左右されない
②資産性と装飾性の中間の人「バランスタイプ」
長く使いたい・でも価値も気になるタイプです。
バランスタイプの本音
・せっかくなら良いものを
・毎日使いたい
・将来性ゼロにはなってほしくない
- 素材×デザインのバランス
・K10~K18・プラチナ
・重すぎず、軽すぎず
・修理と磨き直しが可能な構造 - 石は「好き+納得」
・サイズより色・輝き
・処理は理解した上で選ぶ - デザインは「主張しすぎない個性」
・シンプル+一癖
・他人より「自分に似合う」 - 購入姿勢
・「使い切って価値を回収」
・売却は保険くらいに考える
・資産になると言われたから買う
・トレンドに全振り
③感情・ファッションを楽しむ「エモーショナルタイプ」
心のときめきと、思い出、自分のためのジュエリーを選ぶのが「エモーショナルタイプ」です。
自分の時間を楽しむ人の本音
・可愛い、好き、ときめきが大事
・思い出を身に着けたい
・売るつもりはない
- 直感を信じる
・着けたり、見た瞬間「これ」
・理屈より世界観が大事 - 価格は楽しめる範囲
・無理はしない
・生活を圧迫しない - デザイン優先
・流行もOK
・作品や芸術として捉えることができるもの
・色・形・遊び心 - 素材は自由に
・常識に囚われることなく自由に自分を表現できる素材を選ぶ
③に定義したエモーショナルタイプはNGな買い方がないと思っています。
一番自由に自分らしいジュエリーを楽しめる方々です。
でも、分かります…私達には「現実」があるのも事実です!
そんな意見もあると思い、広い視野で捉えなおしてみることにしました。
私の考え
私たちはそれぞれ違う人生を歩んでいます。
ジュエリーに使えるお金が少ない人もいれば、余裕をもっていろんなジュエリーをお迎えできる方もいます。
上で3つのタイプとして定義はしてみましたが、それは人の属性ではありません。
少しでも分かりやすいように振り分けてみただけにすぎません。
私も一人の人間として人生を歩む中で考えが必ず変わると思っています。
定義した3つのタイプを「人の属性」ではなく「人生の期間」として捉えてみるのもありだと思います。
第1期 楽しむ期間
エモーショナルタイプがこれに当たります。
特徴
- 好き、ときめき、ファッション優先
- 流行や気分を楽しむ
- 価格よりストーリー
おすすめの買い方
- デザイン優先
- 素材は問いません
- 「今の自分に似合う」を基準に
今のあなたに寄り添えるジュエリーを選んで欲しいです
第2期 育てる期間
バランスタイプがこの期間にあたります
特徴
- 長く使いたい
- 自分の定番ができてくる
- 価格と質のバランスを考え始める
おすすめの買い方
- 修理・磨き直しができるもの
- K10〜K18
- シンプル+個性
時間と一緒に育っていくジュエリーを選んでください。
第3期 受け継ぐ期間
ストックタイプがこの期間にあたります。
特徴
- 価値を残したい
- 子や誰かに渡すことを意識
- 流行より普遍性
おすすめの買い方
- K18以上・Pt
- 定型デザイン
- 石留めが堅牢
次の世代にも残せるタイムレスジュエリー
まとめ:柔軟な考え方こそが必要な姿勢
期間を直線で考えるのではなく、循環していくと考えるのがいいと思います。
この年は、ストックタイプにしよう。
今年は、「エモーショナルタイプ」で自由にジュエリーを楽しむ!といった感じです。
私たちのライフスタイルは変化し続けているのですから、柔軟な考え方こそがジュエリーをお迎えする時に必要な本当の姿勢だと思っています。


コメント