自分を証明し続ける必要がある
市場はあなたが真剣で、強力で、安全で、認められる存在であることを証明できる信号を求めている。
書籍「the dip」 ー 勝手に日本語訳:ゆじょん
まさにその通りだ。
私は何かを消費する時、とても慎重な人だ。
例えば、電気機器を購入するとする。
そのブランドは専門的に作っているか(真剣)
性能がいいか(安全)
仕事のパフォーマンスが上がるほど私を豊かにするか(強力)
商品の良さが周りに証明されているか(認められている)
私は、一時の感情で消費する人ではないからこそ、ブランド側からすると非常に面倒な客だ。
こんな性格だからこそ、自分が作りだすものは価値に見合ったものを作り出さなければならないという強迫性を持っている。
買ってみたら微妙だったという結末はムカッとするではないか!!!
私のお客様にそんな気持ちになって欲しくない。
デザイン作業する時も、自分がつけたいと思うまで何度も何度も修正している。
納得できないものを世に出したくない。
the Green garden.にSNSのブランドアカウントがない理由がある。
GAMONiiを2年やって気づいたことだ。
お客様は面白いものを求め、その商品が信用に値する程のものか直感的に考える。
ジュエリーは美しいが、美しい見せ方だけではダメだ。
全員、美しく見せているから、芽吹きはじめの名もない「草」は踏まれてしまう。
私しかできない見せ方でお客様を納得させなくてはならない。
私の答えは、「ブランド」ではなく「私」を見せることだった。
ブランドは私で、私がブランドなのだ。
職人の父と私で一緒に作っているジュエリーというのが、「私」だ。
難しく考える必要がなかった。
「私」が既に、他と違う存在で、それこそが違う見せ方だと気づいた。
最近の話だが、Instagramで「ジュエリー」と検索するとリール動画の上の方に私の動画が出る。
白髪交じりの父が机に向かってハンマーを振っている姿の周りには、美しい女性たちがジュエリーを付けている映像。
私たちの動画はその画面の中では異質だ。
周りの動画に比べると美しさからは程遠く、知らないおじさんが何か作っている姿は荒っぽさがある。
私も最初は、他のブランドと同じようにジュエリーは美しく見せなければお客様は満足しないと思っていた。
ブランドはそうあるべきだと勝手に決めつけていた。
しかし、実際はお客様は裏側を見たいと思っている。
どうやって作られるか。
誰が作っているのか。
どんな環境で作っているのか。
私の動画を見ると分かるが、ジュエリーの工場はあちこち研磨剤がついているし、父の指先は真っ黒。
スーツ姿ではない作業しやすい恰好。
それが私の日常で、ものづくりの裏側のリアルなのだ。
ものづくりは華やかではない。
根気が必要な地道な作業の繰り返し。
YouTube動画のように2倍速にできないのだ。
私はフォロワーやお客様にどんな面白さを提供できるか繰り返し考えなければならない。
それは、私を知ってもらうための第一歩になる。
会社に勤めている人も同じだ。
昇進してもっと成長したいと思うならば、その会社で私が替えの利かない存在だと証明する必要がある。
人はどこにいても、自分を証明し続けなければならない宿命だ。
日本では以下の書籍です
コメント